89 子供の字がきたない時の原因と解決法

こんにちは。
二人の子どもが東大と医学部に現役合格した
家庭教育実践家の白須英里子(しらすえりこ)です。

このブログを読んでいただき
ありがとうございます。

 

「きれいな字をかいてほしい」

子供にそう思ったことはありませんか?
小学生は入学してから
6月までの3ヶ月間で
46文字のひらがなを学びます。

50代以上の人が小学生の頃は
ひらがなを半年ほどかけて学びました。

同じ人間なのに、
半分の時間でできることを
要求されています。

なので、入学までに
読み書きが出来て当たり前のご時世。
気持ちも駆け足状態ですね。

これでは丁寧にきれいな字を
書けるはずもありません。

特に男子なんて、
早く終わらせようと
殴り書きもいいところです。

書店に

”なぞらずにうまくなる
子どものひらがな練習帳”
が出ています。

どんな子でも
ひらがなが劇的にきれいになります!

と、書いてありますが。。

いきなり、この本を使うよりも
これからあなたにお伝えする内容を
確認してからの方がうまくいきます。

 

子供の字がきたない時の原因には
大きく3つあります。

 

1 ほんとは書けるけど丁寧に書いていない

2 そもそも書くための準備が出来ていない

3 その他の外的要因

 

1 ほんとは書けるけど丁寧に書いていない

ちょうどこんな質問をいただいたので
ご紹介しますね。

(ここから)
小1の男の子がいます。
宿題は自分からやりますが、
丁寧に取り組めません。

字が丁寧にかけてない時、
どのように言葉がけをしますか?
(ここまで)

 

言われなくても
“自分から“宿題している事は
すばらしいことです。

言われないと宿題しない子供も
いますからね。

 

丁寧に書けないことがあるという事は、
丁寧にできている時もある
ということですよね。

ここでのポイントは、

***************
いつ、どのタイミングで
文字を丁寧に書くように言うか?

***************

 

宿題をした後に、
「丁寧にできていないから
 どうすればいいか」は、
やった後から、
どうしようかという話です。

もう終わって、
本人は終わった〜と思っているのに

「もっと丁寧に書きなさい!」

と言われたら、
子供はどんな気持ちでしょう?

「え〜!!そんなこと言ってなかったやん、
終わってから言わんといて。。」

終わった後から言っても、
嫌な気分しか残らない。

事後指導といいます。

私には息子が2人いましたが、
きたない字を書くということは
ありませんでした。

 

私は宿題をやる前に
先に気をつけて欲しいこと
わかるように話しておきます

事前指導ってことです。

まず子供に
宿題を自らやっていること
大袈裟に褒めます。

褒めるときは、その理由を必ず言う。

その後
注意して欲しいことを話します。

この場合なら

「〇〇ちゃん、
 いつも自分から宿題やって、
 頑張ってるよね。

 それを続けることは
 なかなか出来ないことだよ」

しっかり褒めておいて
その次に
「今日は文字を丁寧に書くことを
 チャレンジしてみよっか?」

「〇〇の時、丁寧な字書いたね‼︎
 今日もあんな感じでできたらいいね」

と、宿題をやる前に話します。

 

必ず最初に名前を呼んでから、
笑顔で言ってください。

そして低学年は
必ず大人の側で勉強させます。


勉強は、一人で頑張るんですけども
その環境が全くひとりっていうのは、
子供にとっては結構辛いです。

丁寧にきれいに書くためには
ある程度時間もかかります。

それを一人でやるって、
寂しいんです。

 

やっぱり誰かに見守って欲しい。
ただし、静かな環境でです。

誰かそばにいて欲しいとは言っても、
周りが必要以上に騒がしかったら、
集中できません。

 

私自身は、
両親が商売をしていて忙しくしていました。

「宿題したの?」

と聞かれることもなかったので
小学校1年生の4月で音読の宿題を
しなくなったのですから。

この質問者さんも、
お母さんも教員なんですよね。

忙しいと思います。

大変だけど、最初は
目の届くところで宿題をさせることを
工夫してみてください。

丁寧に書くことが習慣になれば、
言わなくてもできるようになります。

時々チラッと見て、
「丁寧に書けてるね、その調子その調子」
を繰り返す。

最後まで終わったら、
「すごい丁寧にかけたねー
 やっぱり、やればできるね!!」

と、具体的な事実をその場で褒めます。

少なくとも、
ひとりでさせるよりは
丁寧にできるはずです。

これを繰り返していきます。

丁寧にしたこと、
頑張ったことを、
褒められれば褒められるほど、
子供は次も頑張ろうと思います。

結果だけよりも、
その努力を褒める、
その場で褒める。
“ちゃんと見てるよ“
と言うことをアピールします。

きれいに丁寧に書くポイントは5つ

1 やる前に言う
2 名前を読んで頑張ってること褒める
3 親のそばでさせる
4 途中で様子を見る
5 頑張ったことをすぐに褒める

 

きれいに書けるときもある場合は
この5つのポイントを心がけて
試してみてください。

 

 

2 そもそも書くための準備ができていない

 

いつも字がきたない時はもしかしたら、
こちらに原因がある場合があります。

文字の練習をするとき、年齢が低いほど
この傾向があります。

字を練習するとき、ほとんどに方は
えんぴつ持たせてぐるぐる

運筆はさせると思います。

ひらがなをなぞったり、
枠からはみ出ないように
プリント使いますよね。

それから、文字を書く練習をしますが。。。
それだけで十分なのでしょうか?

 

幼児や1年生で字が汚い時には
次の2つの原因が考えられます。

上下左右の識別がしっかりできていない
指先の訓練が足りない

上下左右の認識がしっかりできていない

子供は変な形をした字や、
反対向きの鏡文字を書きます。

入学前後の子供には、
左右の識別がしっかりできていない子は
かなりいます。

「右を向いてごらん」
「左の方へ曲がっていきなさい」
と言われて、
その通りにできない子は
識別がまだはっきりできていません。

 

こっちが右でと考えなくても

瞬時にわかることが必要です。

「て」の書き方を教えるとき、
「左上から、少し右上がりに、
 まっすぐな線を書く。

 その端から、
 ちょうど真ん中まで少し曲げながら線を書く。
 そして右下へ、
 やはり曲げながら書いていく」

と、書きながら説明します。

このとき、
右上、右下、
まん中という位置を表す言葉
本当に知っている子
正しくきちんと書けます。

しかし、
左、右という言葉の意味することがらを
まだよくつかめていない子は
鏡文字になったり、
変な形の字になります。

文字を正しく書くには、
書き始め、書き終わりの位置
途中の運筆
四角いマス目のどのあたり
通っているかを、
正確に認知しなければ
正しく書けません。

ワークやドリル、プリントに
書いてある字をみて、
形をマネただけでは、
字画のそれぞれの位置を
正しく認識することは難しいです。

鍵を右に回してね」

「食器棚の右上にあるコップを取ってきてね」

普段から位置を表す言葉を度々使うと、
子供は位置をしめす言葉が
完全にわかるようになります。

 

指先の訓練が足りない

ハサミで紙を切ることがうまくできない子は
字も上手に書けません。
指先の器用さは
文字を書くために必要ことです。

お箸を正しく持ち上手に使えますか?
これは指先の器用さと関係します。

お箸を正しく持てたら、
お箸の先と先を
コツコツと音がするように動かします。

ゲームのようにすると、
指の動かし方が上手になります。

お皿に乾いた大豆を入れて、
お箸で1分間に何個つまめて、
別の皿に移せるか?
というゲームもできます。

小さい子にはハンディをつけてできます。

指先の訓練をしながら、
足し算、引き算の練習にもなります。

他にも積み木遊び、レゴ、折り紙、パズル。
紐を結ぶ、小さなボタンをかける。


こんなことを一つ一つやらせることが、
指先の器用さを育てます。

子供の字がきたない時
字を書く準備が出来ていない原因は二つ

位置を認識する言葉
上下左右、右上右下、
左上左下などの言葉を日常で使い
すぐに反応できるようにする。

指先を思い通りに動かすためには、
お箸を正しく持って、指先を訓練する
指先が器用になる遊びをたくさんする

が解決法でした。

 

3 その他の外的要因

ここまでは
子供が字を丁寧に書けない時
どのように声かけするか、

そもそも
書く準備が出来ていない場合の
原因と解決法をお伝えしました。

 

ここではそれ以外の原因と対策を
2つお伝えします。

①正しい姿勢を維持する
② 鉛筆を正しく持つ

正しい姿勢を維持する

小学校に入ると毎日勉強します。
机に向かって
一定時間本を読んだりノートに書いたり
勉強が続きます。

この時、背中が曲がっていては
きちんと勉強できません。
悪い姿勢では勉強ははかどりません。

上体をグラグラさせず、
腰骨を立てて、
左右の肩甲骨の高さを合わせて、
目と指先を連動させて
文字を書き続けます。

そのためには筋肉の発達が必要です。

戸外で飛んだり、跳ねたり、
走ったりする筋肉の使い方とは違います。

普段から、
本を読む、絵を描く、
ご飯を食べる、ハサミを使う、
テレビを見るとき
骨盤を立てて座ると、
良い姿勢がとれるようになります。

ちなみに良い姿勢とはどんな姿勢でしょうか?

立った時も座った時も
首の後ろと腰、腰椎の部分には
少しだけ
前に向かってカーブが出来ている状態です。

座った時は特に
腰が丸くなりやすいです。

骨盤を立てて座るということは、
股関節から大腿骨(太ももの骨)
前に曲げるということです。

と、書いても
そもそも股関節がどこにあるか?

なんて知らないですよね。

 

実は私も子育て中は
骨盤を立てて姿勢良く座ると言われても
どういう意味がわかりませんでした。

それで、子供には
「姿勢良く座れる椅子」と
謳ったものを購入。
それに座らせていました。

けれど、
なかなか姿勢良くはならなかったです。

子育てが終わってから
私は“ピラティス“という姿勢を整える
体操を学びました。

「どんな状態の時に綺麗な姿勢なのか」
がわかりました。

世間には
これさえあれば綺麗に座れる、
というものが数多く出回っています。

が、うまく使えるかどうかは、本人次第です。

正しく使わなければ、
姿勢が良くなる椅子に座っても
みんながみんな、
勝手に綺麗に座れるわけではありません。

今あなたにお伝えできることは、
脚を動かす時
「自分の股関節の位置を認識して
 そこで動かす」ということです。

はっきり言って、
ピラティス指導者でもみんながみんな
これを知っているわけではありません。

 

あなたの股関節のある場所を探すには

おへその上に親指を重ねて他の指を下に向けます

親指と人差し指の間を直角、90度に開きます

③この時、中指の下、体の奥5センチ以上内側
 股関節があります

 

その股関節を折って椅子に腰掛けると
いつもと違うところで座れます。

そして骨盤の真上に肋骨が来るように
上半身をおきます。

骨盤より後ろに背中があるので良くない姿勢です

正しく座ると
おへその下、下っ腹に少し力が入ります。

 

膝は90度に曲げて
足のうらがピッタリと床に着くよう
椅子の高さを調節してください。

 

足が床につかずブラブラしていると
腰骨を立てることは難しくなります。

机の高さは高過ぎず低過ぎず、
ひじ曲げて直角くらいになるようにします。

この座り方をが習慣になるには
やはり3〜6ヶ月かかります。

この座り方は座った時の姿勢がとても綺麗です。
子供だけでなく
お父さん、お母さんもマスターしてくださいね。

 

 

鉛筆を正しくもつこと

子供に与えるえんぴつは
芯の硬さは硬過ぎず、
柔らか過ぎない2Bを使います。

2Bなら力を加えなくても
滑らかに書けるからです。

親御さんでも
えんぴつを正しく持てる方は
少ないのではないでしょうか。

私もえんぴつが正しく持てず、
筆圧が強過ぎて
長い時間書くのは苦手でした。

息子には“もちかたくん“という、
えんぴつが正しく持てるようになる道具を使い
練習させました。

今はyoutubeで“えんぴつの正しい持ちかた“
と検索すると、
子供むけの動画も出てきます。

学校に入る前に、
正しい持ちかたを身につけてください。

2で紹介したように、
折り紙、ハサミを使う、
箸でお豆を皿から皿に移すなど
指先の訓練をしてから練習をしましょう。

勉強というと、
ドリルやプリントをこなすことばかり
考えてしまいがちです。

ですが、
勉強を始める以前に
どれだけ準備が出来ているか
集中力、理解力が変わってきます。

 

まとめ

子供の字がきれいに書けない原因には
大きく3つあります。

きれいに書ける時もある場合には、
事前に、
出来ていることを褒めてから、
ていねいに書くよう話す。

そもそも字を書く準備が
整ってない場合には
上下左右、位置認識が十分できるようにする

指先を自在に動かせるよう訓練する。
指先を使う遊び、
お箸を正しく、上手に使う練習をする

その他外的要因は
椅子、机の高さを合わし、
骨盤を立てて座る

えんぴつはちょうどいい硬さ
2Bを使い正しい持ち方を練習する

 

以上、子供の字が汚い時の原因と解決法でした。

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